何故、家族葬が周囲の反対を受けるのか

近年、超高齢社会化もあり小規模で行う家族葬が増加しています。
しかしその反面、家族葬を行おうとした際に親族から反対を受けたという声も少なくありません。
そうした場合、反対する親族や周囲の人々はどのような思いを抱いているのでしょうか?

まず、一般葬や伝統的しきたりに従うのが良いお葬式という先入観が理由の一つです。
高齢な方、或いは地方で親族との繋がりが深い地域に住む人の場合には、一般葬や宗教的伝統に従って故人をお見送りするのが良いという先入観を持たれている方もいらっしゃいます。
そうした思いから、反対されている場合があります。

次に、葬儀に参列したい人が出来なくなる可能性があるという点も反対の理由です。
家族葬の場合は周囲に知らせず行うことも多いので、葬儀に参列したいと希望していた人が参加出来なくなる可能性を危惧している場合もあります。
また、新しい価値観に賛同することへの不安感もあるでしょう。
家族葬についてどういう背景で、どのような目的で行われるのかを知らない人の場合には、「家族葬」という言葉そのものに拒否感を抱いている場合もあります。

従来人の繋がりや伝統に従ってきた日本社会は「集団社会」を尊重してきた分、最近の傾向で終活によって「故人という個人を尊重するあり方」にまだまだ理解が追い付いていない側面があるのも事実です。
親族から反対を受けているのに家族葬を実行してしまうと、あとあとトラブルの元になりかねません。
反対された場合は、「何故、反対されているのか」を考え、周囲に故人と家族の考えを伝えていくとよいでしょう。

反対された場合、どのように周囲に伝えていけばいい?

参列希望者が参列できない可能性については、後日改めて「故人をしのぶ会」を設定する、或いはお食事会などを準備するとよいでしょう。
また、実際に家族葬で葬儀に参列できなかった場合には、後日改めて仏前にお花だけ届けてくれて故人をしのぶという方もいます。
参列希望者が参列出来ないかもしれない事情については深くお詫びし、「故人の遺志を尊重し、家族葬にさせて頂きたい」旨を伝え、承諾を得ておくようにしましょう。

また、先入観、思い込みに対しては、故人が残した遺志であることを告げるのと同時に、家族葬にした理由などもしっかり告げておくと良いでしょう。
特に「家族葬」について「ひっそりと目立たなくする」というあまり良くないイメージが先行してしまっている人達に納得してもらうには、家族葬にした目的や動機を伝えて理解してもらうことが大切です。

また、葬儀社を使って新聞の「お悔やみ欄」に掲載することもありますが、家族葬の場合は事後報告になることが多いです。
その際、「葬儀終了」と掲載することで、後日弔問できる機会を設けておくとトラブルを避けることが出来るのでおすすめです。