高齢者の万引きの実態とは

高齢者の万引きが急増していることをご存知でしょうか。
2017年の65歳以上の高齢者の万引き件数は、10年前よりも3倍以上も増えています。

さらに、深刻なのは再犯率も高いのです。
特に、高齢になればなるほど再犯率は上がり、2年以内での再犯率が高まります。
その中でも、70歳以上の女性の高齢者の万引きは増えているようです。
何と万引きの検挙者の中の4割は高齢者とまで、言われています。

こうなってくると、警察の方も高齢者の扱いが大変になってくるようで、刑事施設には介護専門のスタッフもいるという状態です。
といいますのも、検挙されて、要介護状態になってしまう人もいるようですし、元々要介護状態の人もいたのかもしれません。
中には、認知症という人もいるでしょう。

万引きの背景は?

このような高齢者の万引きには、どのような背景があるものでしょうか。
高齢者ともなれば、万引きが犯罪であることは、十分に承知しているはずです。

まず、考えられる原因として挙げられるのが生活困窮者であるということです。
つまり、お金がないために万引きに手を染めてしまうのでしょう。
検挙された高齢者のうち8割は無職で、食料品などの生活必需品を盗んでいます。
ですから、額としては、高いものではないのです。

犯行を行った人はほとんど、その理由を「節約したかったから。」と答えています。
確かに普段、買い物する店での行為が多いのです。
買い物ついでに、さっと盗んでしまうのでしょうか。

「孤立感解消がカギ」という締めについて

もう一つの万引き理由として挙げられるのは、孤独です。
万引きに手を染める人は配偶者を亡くした人や独身の人が多いという現状があります。
孤独さからのストレスも関係があるのかもしれませんし、もしも家族や配偶者がいれば、歯止めが効くことも考えられます。
もしも、家族がいる人でしたら、このようなことをしたら家族に嫌われてしまうという気持ちが働くに違いないのです。

こういった高齢者の孤立感の解消が万引きを防止してくれるかも知れません。
つまり、万引き防止のカギは孤立感解消なのです。
それには、どうすれば良いものでしょうか。

大事なのは、高齢者をなるべく一人で行動させないことで、そのための居場所を地域社会で作るのです。
その一例として、地域包括センターがあります。
このセンターは高齢者を孤独にさせないように、様々な行事等がありますので、活用して仲間を作るのが一番です。
地域での積極的な呼びかけなども、あると良いでしょう。

犯罪者を刑事施設に収監となると、予算も掛かります。
その額は一人当たりで約300万円と言われていますので、なかなかのものではないでしょうか。
犯罪者を一人でも減らすことは予算の面でも大事です。
そのために、地域で連携して孤立老人を生み出さない様にしましょう。

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