「ヤングケアラー」についての説明

「ヤングケアラー」をご存知でしょうか。
最近、介護が必要な家族の支援を担っているのは、まだ10代、20代の若者という現状があるのです。
実は、こういった傾向は増えつつあり、問題化しています。

彼らは、大人の介護者がするのと同じことをしなければなりません。
食事、排せつの世話、家事、感情的なことのケアも全て、年端もいかない10代から20代の若者が引き受けているのです。

なぜ、このようなことになっているのかというと、晩婚化や核家族化の問題が見え隠れします。
最近の晩婚化傾向で、初産の年齢が上がっていますので、35歳で初産という人も少なくないです。
そうなりますと、たいていは一人っ子ですし、子供が20歳になる前に親が年を取ってしいます。

たとえば、子供が生まれた時に母が40歳、父が48歳という場合もあるでしょう。
そうなると、子供が15歳の時に父親は63歳ですから、病気になって働けないということも考えられます。
そのような状態になると、母親は働きに行かなければいけないので、父親の面倒は子供が見るという事になります。

また、離婚で一人親という問題もあります。
たとえば、母一人、子一人で離婚のため母親の実家で生活という場合、子供にとっての祖父母の具合が悪いとなると、母は仕事があるために子供が面倒を見るということになるでしょう。

学業への影響はある?

では、上記のような状態になってしまうと、学業への影響はどのようなものでしょうか。
アンケートなどの結果を見ますと、影響は大いにあるようです。

介護のために宿題ができない、遅刻、早退があり、授業についていけないということは多々あるようで、ひどい場合は不登校になってしまいます。
何と、1週間のうち20時間以上も家族のケアに時間を費やしているという子供も少なくないのです。
これでは、子供たちが生活の犠牲になってしまいますから、余りにもかわいそうではないでしょうか。

支援の状況はどうなっているか

最近はこのような状況を何とかしようとする支援の動きが出てきました。
そのような団体の取り組みに、「ケアラーアセスメント」というものがあります。
この動きは、要介護者のみでなく、介護をする人を支えるという考え方に基づいています。
このように、介護する人を支える事で、介護に疲れて心身共に大変という人を減らそうとする試みです。

すでにイギリス等では、国で介護の制度を取り入れていますので、介護する人の負担は少なくなっています。
日本でも、こういった状況を打破するために、税金を使って何かしらの支援策を考えてもらいたいものです。
このように、10代、20代の若者が自分たちの進学や就職をあきらめて家族の支えに回っていることに対して、国として何かしらの対策を打ち出さなければいけないでしょう。

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