介護疲れ、気づいた時にはすでに重症なことが多い

自宅で介護をしている家族にとって、介護は24時間年中無休です。
その分、自分でも気づかないうちに疲労をため込んでしまっていることが多くなりがちです。
「家族だから、介護をしなければ」と責任感をもって行っている分、疲労を感じることにさえ罪悪感を抱いてしまうケースも少なくありません。
そのため、体が動かなくなるギリギリまで気づかなかったということもある程です。

例えば、倦怠感や、眠っても疲れがとれない場合には、すでに疲労がピークを迎えてしまっているかもしれません。
倦怠感は疲労が蓄積した中で自覚することがほとんどです。
心労が積み重なると自律神経のバランスも崩れがちで、寝ても疲れがとれないといった症状が起こります。

また、感情のコントロールが利かず、すぐに感情失禁してしまう場合も注意です。
感情失禁とは「泣いてしまう」ことの医療・福祉用語です。
在宅介護をしていると、色々な問題が生じがちですが、そうした中で我慢し続けることで感情のコントロールが利かなくなる傾向が出てきます。
在宅介護で問題や悩みを抱えた場合には、すぐに担当のケアマネージャーや地域医療連携の担当者に相談することをお薦めします。

何をするにもやる気が出ない場合も、疲労がピークの状態と言えるでしょう。
常に気持ちが沈んだり、やる気が出ずに落ち込んだりしてしまう場合には「介護うつ」にかかっている可能性も否定はできません。
まずはご自身の静養がとれる状況を整えるようにしましょう。

介護疲れで手遅れになる前に

上記のような症状が現れた場合には、すでに介護の疲労が蓄積されてしまっている状況です。
その前に、危険信号を察知できるようにしておくことをお薦めします。
多くの家族介護者の方が「介護疲労に陥る初期段階」として出てきていた症状が以下の通りとなりますので、ご自身の状況と比較してみましょう。

まず、「忘れ物などのうっかりミスや、予定などを間違えることが多くなる」という症状です。
多くの家族介護者の方が、疲労に陥る初期段階で「記憶障害」を体験しています。
ミスが増えて自分自身を責めてしまいがちですが、介護疲労による初期段階と認識し、周囲に相談するなどして悪化を防ぐようにしましょう。

要介護者に感情をぶつけてしまう、というのも、多くの家族介護者の方に見られる傾向です。
感情をぶつけてしまう程「疲れている証拠」ですので、要介護者に優しくできないことで自分を責めてしまう前に、常に頑張っている自分自身を労うことをお薦めします。

介護疲れのサインに気付いた時は?

まずは自分の楽しみや「自分の時間」を作ることが最優先です。
体操をしたり散歩をしたり、息抜きの時間を作るようにしましょう。
また、場合によっては要介護者を一時的に外泊させるレスパイトケアもありますので、担当のケアマネに相談してみることをお薦めします。