最近注目されてきた「食事宅配サービス」

日々の食事は高齢者の方にとって、とても重要なものです。
食事が粗末になったり経口摂取が減ることで体力が低下し、疾患や転倒などのリスクにもつながりかねません。
とはいえ、食事を考えるというのは難しい側面があるのも事実です。
老々介護などの場合には、介護しながら食事のメニューを考えたり買い物に行くこと自体が負担になったり、或いは腎臓病や糖尿病の基礎疾患がある方の介護をしながら、カロリーや塩分制限のある献立を考えるのが大変というご家族もいらっしゃることでしょう。

そうした中で、食事宅配サービスの需要が高まっています。
宅配サービスを受けることで、三食の準備を軽減することが出来たり、またサービスによっては管理栄養士がカロリー制限、塩分制限のある食事の献立を作成しているので、基礎疾患があっても安心して摂取することが出来ます。

また、宅配サービスには様々な種類があり、「お弁当」として配達してくれるサービスもあります。
独居の高齢者の方にとっては電子レンジや解凍の必要がないため、お薦めなサービスとなっています。

宅配時の種類

冷凍・冷蔵・常温の三種類があります。
冷凍の場合には解凍の必要がありますが、冷凍庫にストックしておけば数か月から半年ほどもつものもあります。
しかし、冷凍の宅配弁当にはご飯がついていないものが多いため、別途ご飯を準備する必要があります。
形態としては「やわらか食」「成分調整食」「ムース食」などがあります。

冷蔵の場合には、賞味期限がその日の夜までと短くなっています。
しかし冷凍食と違っておかずは新鮮で、ご飯もついています。
ただし、成分調整食やムース食といった食事形態を選びたい場合には種類が限定されるのでご注意ください。

常温の場合には、賞味期限は2時間と短くなります。
しかしその分、冷凍・冷蔵よりもフレッシュなおかずを食べることが出来ます。
また、直接のお渡しになるので独居の高齢者の方の場合、「安否確認ができる」というメリットもあります。

食事形態の種類

高齢者の方の嚥下状態によって、食事の種類を選ぶことが出来ます。
一般的なお弁当以外に、「やわらか食」「刻み食」「ムース食」などがあります。

やわらか食は、見た目は一般的なお弁当と変わりませんが、スプーンでつぶせるタイプのものです。
咀嚼力が弱くなってしまっている高齢者の方におすすめです。
刻み食は嚥下機能が低下した高齢者の方に向いているとされていますが、最近の研究では刻まれていることから口の中で食塊が作りづらく、かえって誤嚥しやすいという指摘もあります。

嚥下状態を担当医などにも相談し、どの食事形態がよいか検討するとよいでしょう。
ムース食は咀嚼力、嚥下力ともに低下した高齢者の方におすすめです。
それぞれ形態の特徴に応じて、ご家族が食事の楽しみが持てるようなサービスを選べるとよいですね。