トラブルが起きる前に施設に伝えておくことが重要

介護施設内での利用者同士のトラブルというのは、事前になんとなく予測できることもあります。
具体的には、新たに入居する利用者が非常に精神的に不安定な状態であったり、家族と離れて暮らすことに強いさみしさをかかていたりする場合です。
利用者の家族だとこうした心情や性格について理解しているはずですので、事前に施設側に心配事を伝えておくと良いでしょう。
そうすることで、心理的なサポートを行ったり、いつもより気持ちが高ぶっていたりさみしさが強くなっていたりする様子が見られた場合にすぐに対処できる用意になりります。

また、施設の環境が利用者同士のトラブルを引き起こす要因となることもあります。
たとえば、ユニットケアなどでは利用者同士の物理的な距離が近い傾向にあります。
それだけ生活音による不満が生じやすいなど、トラブルの原因が生まれることが多いのです。

特に、今まで家族と広い家に住んでいて気兼ねなく毎日の生活を送っていた人が、こうした施設に入ると環境の変化になじめず問題となることも考えられます。
そのため、施設の状況を見て不安を覚えるようであれば、事前に今までの生活環境などを伝えた上で心配な点を施設側に教えておくと良いでしょう。
そうすれば職員が定期的に気持ちを当人に聞いてくれたり、心理的なストレスを感じているようならケアをしてくれたりします。

トラブルが起こった場合は速やかに相談する

多くの人が一緒に暮らす介護施設では、注意していてもどうしてもトラブルが起きることがあります。
大事なのは、トラブルが発生したらすぐに職員に相談することです。
家族が施設を訪問して利用者といろいろ話しているうちに、自分では解決できない問題について聞くこともあるでしょう。
一番多いのは人間関係のトラブルで、毎日のように顔を合わせるのでなかなか解決が難しいことがあります。
こうしたケースでは、職員が融通を利かせて食事の際のテーブルの配置やレクリエーションの時のグループ分けなどを考えて一緒にならないようにすることができます。

もし施設側に問題がある場合にも、やはりまずは施設側に伝えた方が良いです。
物事の大きさにもよりますが、担当の職員だけでは対応できないと感じるのであれば直接施設長などにかけ合ってみることも必要でしょう。

明確に施設側に伝えたものの一向に改善されないとか、本来施設がすべきことを対応していないという場合は第三者を頼ることもできます。
自治体の福祉課の窓口に行って相談してみたり、国民健康保険団体連合会といった苦情相談窓口で話したりするのがベストです。
そのままにしていると利用者の中で大きな問題に発展したり、強いストレスを感じて精神疾患を患ったりすることもありえますので、早めに行動することが大事です。