親を介護施設に入居させることに罪悪感が生まれてしまう理由とは?

親を介護施設に入居させることについて引け目、人によっては罪悪感さえ覚える方がいます。
いろいろな背景がありますが、一つには自分をずっと育ててきてくれた親は自分で最期まで世話をしないといけないという考え方があります。
自分でしないで、他の人に任せるのは責任を放棄しているように思えるというわけです。

また、今までずっと親の介護をしてきたものの、要介護度が上がってきたり、自分たちの体力的、精神的な負担が大きくなって疲れを感じているといったことが原因となることもあります。
もう介護をするのはイヤだと感じるようになり、それが介護施設の入居へと動かします。
こうした精神状態にあると、親を介護施設に入れるのは親のことが嫌いだからだとか、ネガティブな感情だけで決めたという思いが強くなります。
いわば厄介払いをするために介護施設に入居させるという感覚が強くなって、罪悪感を覚えるようになるのです。

入居を決めた時には罪悪感などは持っていなかったものの、入居後少したってから感じるようになるケースもあります。
特に親が入居してから体調が悪くなったり、会話の中でさみしさを訴えることが多くなったりすると強く感じるものです。
介護施設の入居という決定が失敗だったのではないかと思うようになり、親が楽しそうにしてしないことが自分を責める気持ちに変わっていくのです。

罪悪感を解消させる方法とは?

まず、介護が必要な親を介護施設に入居してもらうことは何も悪いことではないという認識を持つことが大事です。
介護施設は、日本においては介護保険制度という公的な制度で運営されているもので、高齢者の介護を家族や個人だけで行うのではなく社会全体でしていくという考えに基づいています。
このように、そもそも介護というのは家族だけではなくみんなで支え合って行うべきものですので、子どもが最期まですべてのことができなくても当然のことなのです。

そして、実際的な見方をすることも大事です。
親も年を重ねていくにつれて認知症や身体機能が低下していき、ケアが大変になります。
本人が快適に生活できるようにするため、そして要介護度の進行を遅らせるためにプロの技術や専門知識を借りることはとても重要なのです。
介護施設でプロがお世話をすることで、ずっと対応がしやすくなりますし本人にも良い面が出てきます。
こうしたことを介護施設に入れるメリットに目を向けることで、罪悪感を解消する助けとなります。

また、職員に自分の気持ちを素直に伝えるようにしましょう。
入居させることに罪悪感があると言って、心情を聞いてもらいます。
話すだけでも気持ちが落ち着くことも多いですし、たくさんのご家族を見てきた職員が適切なアドバイスを与えてくれることもあるでしょう。