ペット可は数は少ないが受け入れ可能な施設はある

ペットは、飼い主にとっては家族のようなものです。
今まで自宅で大事なペットと生活してきた方が老人ホームなどの介護施設に移ることになった時、一緒にペットと過ごし続けたいと思うのは自然なことです。
しかし、現状ではそれほどペットの受け入れ可能な介護施設というのは多くなく、かなり一生懸命に探さないと条件に合うところが出てこないのです。

というのも、老人ホームはそれぞれの居住空間が多少狭いケースが多いことや、周りとの距離が近いといったことが障害になるからです。
小動物であればともかく、犬や猫などは音が出てしまいますので、周りに迷惑をかけてしまうこともあります。
また、身体機能に障害がある方は外での散歩を含めてペットを世話するのは難しく、結局施設側にとっても負担となってしまう可能性が出てきます。

さらに、衛生上の問題点が生じるリスクもあります。
こうしたことから、大半の介護施設ではペット不可となっているのです。

しかしペットと一緒に暮らすことで生活の質を上げられるというのは事実ですので、より良い時間を過ごせるようにとペット可の施設が日本全国で増えてきています。
実際に介護施設では昔からアニマルセラピーを取り入れて、心身の癒しを動物を通して与えるという取り組みがなされてきました。
それが自分たちで飼っているペットであればなおさらのことですので、積極的に受け入れる事業者が多くなっているのです。

可能であっても受け入れ体制の確認は必要

全国でペットと住める介護施設が増えているのは事実ですが、その体制には差があります。
たとえばペットの種類として、室内で飼える小型犬は可能であるものの、体が大きい犬や外で歩き回ってしまう猫については不可とするといった条件です。
また、ペットが生活できるスペースの制限を設けているところも多いです。
居室内はOKであるものの、施設の中庭や共有スペースは禁止としているといった感じです。

一方で、ペット受け入れを積極的に行っているところでは充実した環境を整えているところも見られます。
施設敷地内にドッグランを作っていたり、室内に猫が遊べる遊具付きのスペースを設けたりしているのです。
他にも、玄関にペット用の足洗い場を作るなどして安心して過ごせる工夫もなされています。

こうした環境整備に加えて大事なのが、世話をどこまでするかです。
機能障害がある方の場合、十分なペットの世話ができなくなる可能性もあるので、職員がどこまでペットの世話に関わってくれるのかを見ることも重要です。
こうした点をしっかりと確認して、住まいが変わっても自分もペットも安心して暮らし続けられるかを考えるようにしましょう。