高齢者にとって新らしい環境は大きなストレス

高齢者にとって、住み慣れた地域や住宅から離れて暮らすのは、とても不安なことです。
このため、介護が必要になって老人ホームへの入居を検討しているけれど、本人が嫌がるという悩みがとても多いのです。

嫌がっているのに無理やり老人ホームに入居させてしまったのでは、なかなか新しい環境に馴染めず、入居先でトラブルが起こしてしまうケースもあります。
こちらの要求だけを押し付けるのは禁物です。

なぜ嫌がるのかに耳を傾ける

まず、なぜ老人ホームへの入居が嫌なのか、その理由をきちんと聞くようにしてください。

老人ホームに捨てられる、この年になって環境を変えたくない、他人の冷たい介護を受けたくないなど、どのような利用で入居を嫌がっているのかがわかれば、それに合わせた対処ができます。

超高齢化社会になり、老人ホームの需要は高まっています。
その一方で、各老人ホームでは入居者を確保するために、良質なサービスの提供に重きをおいています。

行き届いた介護サービスだけではなく、暮らしやすい住環境、入居者とのコミュニケーションやリクリエーションなど、高齢者が抱いているイメージとは異なるケースが大半なのです。
また、介護を必要としていない元気な高齢者も、大勢入居しています。

このようなことを具体的に説明して、老人ホームに対する認識を変えてもらうことから始めましょう。

一緒に見学に出かけよう

そして、一緒に見学にいくことをおすすめします。
パンフレットや口での説明だけでは伝わりにくい点でも、実際に足を運んで老人ホームがどのような施設なのかを体験すると、具体的なイメージがつかめるようになります。
老人ホームの見学は1度だけでなく、時間帯や曜日を変えるなどして、何度も行うことをおすすめします。
そして、ショートステイなど体験入居も試してもらいましょう。

見知らぬ環境に対して、人は不安感を抱きます。
しかし、実際に何度も体験しているうちに、どのようなスタッフがいて、どのようなサービスが受けられるのか、どのような入居者がいるのかがわかると、その環境を受け入れやすくなります。

こうして老人ホームのスタッフや入居者と顔なじみになっていけば、家族からの説得にも耳を貸すようになりますし、自分から入居しようという意欲が湧きやすくなります。

こちらの都合で早急に老人ホームに入居させようとするのではなく、じっくりと時間をかけて説得して、本人が納得してから入居してもらうよう、焦らずに説得しましょう。

また、たとえ老人ホームに入居しても、家族との絆が切れるわけではないことも伝えて安心してもらいましょう。
老人ホームに入居しても休日には会いに行くね、テレビ電話でいつでも話せるよなど、お互いの関係が今後も続いていくことをきちんと伝えることもポイントです。