何故、加齢に伴い排尿の悩みが増えるのか?

高齢になってくると、頻尿などの排尿に関する悩みを抱える人が増えてきます。
排尿に関すトラブルは頻尿、過活動膀胱、尿漏れなど様々ありますが、中でも夜間頻尿に悩む方は少なくありません。
夜間頻尿は薄暗い中トイレまで移動するため、転倒のリスクも高いです。
在宅介護の高齢者を対象とした転倒事故は、50%以上という研究事例もあがっている程です。

過活動膀胱や夜間頻尿などの排尿に関する問題は、さまざまな症状によって起こります。
例えば男性の場合には前立腺肥大、女性の場合は内臓を支える筋力が低下して膀胱が下がることによってトイレが近くなってしまう骨盤底筋がゆるんでしまうことなども一因とされています。
過活動膀胱や夜間頻尿は40歳以降によくみられる症状で、自律神経系の衰えが原因とも言われています。
そのため、具体的かつ効果的な治療法がなく、内服薬にて対処療法をする方がほとんどです。

とはいえ、やはり頻回にトイレに行くという症状はご本人にとってとても苦痛な症状であることはいうまでもありません。
その上転倒のリスクもあることを踏まえると、症状を抑えるだけでなく「トイレに頻回に行くことなく、排尿できる」ということが必要となってきます。
そうした中で、ベッド脇に採尿器があると便利です。

採尿器について

採尿器といわれると「尿瓶(しびん)」を想像する方が多いかと思いますが、最近では様々なケースに合わせた採尿器が発売されています。
使用する高齢者の方の性別はもとより、介護度や自力歩行や認知機能に合わせて選択するとよいでしょう。

歩行可能な高齢者の方には、携帯型尿器がおすすめです。
男性の場合は装着型のものもありますし、最近では男女兼用の携帯型採尿器も販売されています。
例えば装着部のみ購入し、あとはペットボトルを使用するなどもあります。
ペットボトルは常に廃棄できるので、部屋の尿臭なども心配不要です。

また、携帯型の中には抗菌剤入りの凝固剤をいれて廃棄できるものもあります。
携帯型尿器で検索すると様々なものが出てきますので、ニーズにあったものを選択することが出来ます。

自動採尿器は受尿器をあてて排尿するだけで、自動的に尿が吸引されます。
排尿に使用するレシーバーと畜尿する本体で出来ていて、尿がこぼれたり尿臭がする心配もありません。
価格としては携帯型尿器などと違い数万円ほどかかってしまいますが、介護認定されている場合には要介護4以上の方は介護保険給付の対象となります。

男性の場合には、夜間装着式尿器を使用することも出来ます。
夜間帯、受尿器を装着して臥床するだけで、夜間帯にトイレに行くことなく排尿をすることができる仕組みとなっています。
様々なケース別に合わせた採尿器があるので、目的やご本人にあった採尿器を選んで使用することをお薦めします。