「吸いのみ」を使うメリット

「吸いのみ」というと、一般的にイメージできるのは吸い口が長くなっているものかと思われます。
しかし最近では様々なケースの吸いのみがあり、使用する場面もそれぞれ異なっています。

例えば介護の現場で吸いのみを使う場合、起き上がることが出来ない高齢者の方はコップで飲むことが不可能のため、ベッド上で頭部をギャッジアップさせて水分補給をする際に吸いのみを使用します。
ただし吸いのみは角度がつきすぎるとその分口腔内に流れ込む水分量も増えてしまうので、誤嚥してしまう危険があるため注意が必要です。
トロミ剤などを使用して、少しずつ補給できるようにしましょう。

また、吸いのみには水分量のメモリがついているものが多く、1日どのぐらい水分摂取をしたかを計るのにも役立ちます。
高齢者は脱水や熱中症のリスクが高く、1日平均して1~1.5リットルは摂取するのが望ましいとされています。
しかし、認知機能などの影響もあって口渇を感じることが少なくなり、あまり自分から水分を摂らない高齢者の方も少なくありません。
そうした場合に、吸いのみにご本人が好む飲み物を入れておき、どのぐらい摂取したかをカウントする際に使用することも出来ます。

吸いのみの選び方

ベッド上で高齢者の方が自分で飲む場合には、持ち手のある吸いのみの方が使用しやすくておすすめです。
また、吸いのみの中には吸い口を変えられるものもあります。
水分摂取の際に使用する吸い口と、流動食などを摂取する時の吸い口では太さが違う方が便利です。

そのように場面によって変えられるものもあるので、要介護者の方の自立度にあわせて選ぶのがよいでしょう。
自立度が高い高齢者の方にはストロータイプのものがお薦めですが、嚥下機能が落ちてきた場合にはストローによって誤嚥してしまうこともあるので、ストロータイプのものを使ってむせ込みがあるかどうかを指標にして選ぶのもおすすめです。

吸いのみは直接口腔内に入るものですので、清潔を保つことも大切です。
そのため、開口部が広く洗浄しやすいものがよいでしょう。
また、交換不可のストローマグを使っている場合にはストロー部分をミルクポンなどの哺乳瓶用消毒液につけると清潔が維持できます。

おすすめの吸いのみ

一般的な吸いのみは、病院などでも使用されている「薬呑器」ですが、最近はそれ以外にも様々な種類があります。
従来の薬呑器に持ち手がついたものや、ストロー付きのマグカップなどもあります。

また100円ショップなどでは、ペットボトルの蓋にストローがついているものがあり、ペットボトルに入ったジュースの蓋をそのストロー付きの蓋に変えて使用することが出来るというアイテムもあります。
要介護者の方の自立度、嚥下状態などを踏まえた上で状況に応じた吸いのみを使用することをおすすめします。