介護用スプーンを使えば自分で食べられる

介護では、本人ができることはなるべく自分でしてもらうことか大切です。
生活機能の衰えを防ぐことにつながりますし、本人の自信や尊厳を損なわずにすみます。

しかし、介護が必要になってくると、それまでは使えていた箸などが使いにくくなりますね。
このような場合は、ユニバーサルデザインを使った介護用スプーンを使いましょう。

介護スプーンを使って自分で食事をすると、自分のペースで食事を進められるため、味わいや歯ざわりなど食事を楽しむことができます。
また、自分のペースで飲み込むので、肺への誤嚥を防ぐ効果もあります。

柄がカーブするものや、持ちやすいものなど豊富な種類

介護用スプーンにはさまざまなデザインや、種類のものが用意されています。
主なものとしては、次の3つです。
1つ目は、手や口の状態に合わせてスプーンの柄などの角度を調整できるもの。
柄の角度を調節することで、その人の状態に合わせて、スプーンを扱いやすくすることができます。

2つ目は、柄が握りやすいように太くなっているもの。
手が麻痺したり、筋力が低下したりすると、スプーンを握るのが難しくなります。
柄が太いものはしっかりと握れます。

3つ目は、シリコン製のものです。
柔らかなシリコン素材でできたスプーンで、口を傷つけずに食事ができます。

体の状態に合わせて適切なスプーンを選ぶ

病気の後遺症などで半身麻痺などの状態であっても、自分で食事をすることは非常に大切です。
介護スプーンを選ぶときは、本人の体の状態に合わせたものを選びましょう。

特に利き手がマヒしている場合は、お箸はもちろんのこと、スプーンでさえも持つのが難しくなります。
利き手にマヒがあったり、握る力が弱くなったりしている場合は、柄が太いものがおすすめです。

また、口元にマヒがある場合は、口を大きく開くことができませんから、口の大きさに合わせたサイズを選ぶことも大切です。

大きめのスプーンは、一度に口にいれる量が多くなるので誤飲しやすいため、大きすぎるスプーンはおすすめできません。

しっかりと握れなくてもスプーンを落とさないように、柄の部分にベルトがついていたり、指を固定したりできるスプーンもあります。
実にさまざまなデザインや素材、機能のものが販売されているので、いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

介護スプーンだけでなく、介護用のフォークや食器、マグカップなど、食事を補助するグッズがたくさん販売されています。
介護スプーンに合わせて、それらのものを使ってみるのもおすすめです。

これらの補助具を使うだけで、これまで困難だった食事が、自分でも食べられるようになるケースが多いのです。
若い世代にとって食事の動作は何の不自由もなく行えるものであっても、高齢者にとってはさまざまな不便を感じることが多いもの。
食事を少しでも楽しめるように、専用の道具を使ってみませんか。