おむつを使い始めるタイミングとは

介護をしていく上でなかなか精神的につらいのがいわゆる「下の世話」である排泄介護です。
高齢になってくると内臓の筋肉が弱くなってくるとともに、思うようなスピードで移動ができなくなってしまうため排泄をきちんとトイレの中で行うことが難しくなってきます。

しかし排泄介助はそれを行う人だけでなく受ける側の人にとっても大きなストレスになるものであるため、場合によっては強い拒絶反応を示されることもあります。

まず最初に理解しておいてもらいたいのが、高齢者のおむつというのは一度したら二度と外れないものではなく、一時的に使用をしていてもその後のリハビリやトレーニングにより十分外すことができるものであるということです。

ですので排泄介助が大変でおむつを勧めなければならない場合にも、「もうこれを使うより仕方ない」といった言い方ではなく、失敗を防ぐためにしばらく使ってみようといった先に希望のある勧め方をすることが大切です。

おむつといっても赤ちゃん用のものと異なり、高齢者向けのものは多くの種類があります。
大きくは「アウター」と「インナー」の二種類に分類ができ、完全にパンツの代わりとして使用する場合と、普段使用している下着の中に入れておくことで漏れを防ぐという場合とで使い分けをします。

本人が納得していないうちに無理におむつを使用することを周囲が決めてしまうと、勝手に脱いでしまって余計に始末が面倒になったり、全体的に心を閉ざして頑なな態度を取るようになってしまったりします。

尿とりパッドを使うと普段の行動も安心

高齢者に多く見られることの一つに「尿もれ」があります。
下半身に力を入れた瞬間や、長時間外にいなければいけないときにトイレまで我慢できずその場で尿を漏らしてしまうということがよくあります。

そうした漏れを防ぐために尿とりパッドをつけておくと安心できます。
尿とりパッドはパンツ型とテープ型、もしくは併用して使うタイプとがありますので、使用する時間によって使い分けをするとよいでしょう。

尿とりパットは基本的にはおむつとだいたい同じですが、男性用と女性用とで形状が微妙に異なります。
正しく身につけることで2~4回程度の尿を吸収することができるので、夜中も安心して眠ることができます。

昼間トイレが近くにあるときは使用せず、夜や長時間外出するときにだけ使うようにするといった方法なら抵抗なく使用が始められるのではないかと思います。

用品店に行ってみるとわかりますが、高齢者向けのおむつはかなりの数が販売されています。
性能は尿の量によって変化してくるので、本人の体調や移動能力などを考えて適したものを探していくのがよい方法です。