清拭剤を使用するメリット

在宅介護では、入浴もなかなか難しいケースが少なくありません。
デイサービスや訪問入浴などを利用する方もいらっしゃいますが、場合によっては自宅で全身清拭を、或いはケアの一環としてご家族が清拭をしたいという方もいらっしゃいます。

その時に迷うのが、「ボディソープを使った方がいいのか、否か」です。
お風呂やシャワーと違って全身清拭の場合、石鹸やボディーソープが完全に拭き取れず残ってしまうことで、赤くなったりただれてしまったりなどスキントラブルの原因になる場合があります。
そのため、最近では「清拭剤」として高齢者の方の皮膚にあわせた商品が販売されています。

高齢者の方の皮膚の特徴としては、皮脂の分泌が少なくなることから乾燥肌になりがちです。
乾燥肌になると掻痒感が出てくる他、皮膚が弱い方の場合には表皮剥離になりやすいといったリスクもあります。
そのため、保湿を十分にしておくことがおすすめです。

清拭をした後に血行をよくするヘパリンクリームやワセリン(プロペト)を塗布しても効果的ですが、そういったものがない場合には保湿成分としてココナッツオイルやハーブを使用した清拭剤などもありますので検討してみるとよいでしょう。
通常のボディーソープよりも高齢者の方の乾燥肌向けに製造されているため、スキントラブルを最小限にできます。

泡タイプと液状タイプ、どちらがよい?

最近では一般的なボディーソープでも泡タイプのものが増えていますが、液状タイプのものよりも泡タイプの方が清拭でも落としやすいので、皮膚に残るリスクが少なくなります。
また肌触りも良いので、清拭の際には泡タイプがお薦めです。

デリケートな部位やスキントラブルを防ぐために、お薦めの清拭剤

寝たきりの方でオムツを使用している場合には、どんなに気を付けていても陰部や肛門周辺がただれたり、発疹が出来たりしてしまいがちです。
そのため、全身だけでなく時折陰部洗浄をすることも大切なケアとなってきます。

例えば花王から販売されている「サニーナスプレー」は、消炎剤が配合されているため、肛門部や女性の陰部周辺などのデリケートな部位に使用することができます。
このスプレーを使うことでオムツかぶれやただれなどを予防することが出来ます。

また、ピジョン「ハビナース 泡がやさしいおしり洗い」は、お湯がいらないタイプの清拭剤で、サニーナスプレーと同様にデリケートな部位にも使えます。
低刺激性なので、高齢者の方向けの商品と言えるでしょう。
オムツを使用している場合にはどうしても部屋の中に匂いが残ってしまいますが、この清拭剤は消臭効果もあるのでおすすめです。
拭き取りだけで大丈夫なので、清拭のためにお湯を準備する手間も省けるため、いつでも気軽に清拭ケアができることもメリットといえるでしょう。