重篤化しやすい床ずれを防ぐには

寝たきりの高齢者にとって大変悩ましいのが床ずれです。

床ずれとは正式な名称を「褥瘡(じょくそう)」という圧迫やムレなどによって起こる皮膚のただれのことで、長く横になった体勢を続けなくてはならない寝たきりの人にとっては避けられない症状となっています。

床ずれは一度かかってしまうと完治するまでに大変時間がかかり、気がついた時にはかなりの広範囲にまでおよんでしまっているという非常にやっかいな病気です。

これは寝たきり状態になってしまっている人の場合、介護や看護をする人とのコミュニケーションが取りづらいということもあり、痛みや不快感があってもそれを上手に訴えることができないということも関係しています。

ですので介護をする人はまず床ずれは誰にも起こりうるということをしっかりと意識、日常的に予防対策をしていくようにしましょう。

床ずれの原因と予防方法

床ずれが起こる最大の原因は、ずっと同じ姿勢で布団などの繊維の上に体を乗せていることで体の一部にのみ圧迫が起こり、血流が悪くなってしまうことです。

血管が圧迫されてうまく皮下に血液が回らなくなると皮膚の代謝や筋肉への酸素供給がされなくなってしまうため皮膚が壊死を起こしてしまうのです。

また圧迫が起こっている皮膚の部分に汗や尿などの汚れや水分が入り込むとますます壊死が起こりやすくなってしまい、重篤化しやすくなります。

そのため寝たきりの中でもおむつをつねに着用している人などは特に注意してケアをしていく必要があります。

予防対策として最も有効なのが、特定の部分にだけ圧迫が起こらないようにこまめに体勢を変えてあげるということと、汗や糞尿などの汚物が体に長く残らないようにするということです。

毎日きちんと体を拭くなどのケアをするとともに、寝たきりであっても外の空気を入れるなど室内の温度が停滞しないようにしていきましょう。