高齢者になったら衣類も選んで
高齢による身体能力の低下や認知症の発症がよりはっきり表れるのは着替えです。
高齢となることで目がかすむようになったり、指先がうまく動かせなくなってしまうものですが、特にシャツやブラウスのボタンは早い段階で自力でできなくなってしまうということがあるようです。
この「自分で着替えができなくなった」という意識は高齢者の自尊心を大きく損なわせるものであり、そのことを家族や周囲から咎められると気分が落ち込み認知症など健康状態が大きく悪化してしまうこともよくあります。
そのため最近自分で着替えをするのが難しくなったと感じるときには、高齢者向けの「ユニバーサルファッション」を選ぶようにしてみましょう。
ユニバーサルファッションとは、着替えをしやすいデザインで作られた衣類のことで、高齢者にありがちな着替えの悩みに対応できるようになっています。
ボタンではなくマジックテープやホックが使用されていたり、かぶったり脱いだりしやすいように襟元が広くなっていたりするので、高齢者用の洋服を選ぶときにはそうした機能性にも十分注意をしておきたいところです。
できるところは自分でしてもらう
高齢者の多くは着替えができないということを自覚することを嫌がるので、できるだけ自分で着替えをしようとしがちです。
確かに自分でやろうという意識がある人にはできるだけやってもらうことが望ましいのですが、やろうとしてもできなかったということが続くとそれが自尊心の喪失につながっていってしまいます。
ですので介護者はあらかじめ自分でやってもらうこととこちらが手伝うこととを分けて提案し、自分でやってもらう範囲が終わったところでお手伝いに行くようにします。
また高齢者になるといつもと違った洋服を着たがらなくなるという特徴もありますので、新たに衣類を購入するときにはあまり目新しいものではなく、いつもと着心地が変わらないものにしておく方がよいでしょう。
場合によっては同じ服をいくつも用意して着回すというのもよい方法です。