まだまだ恐ろしい病気

今から半世紀以上前の日本で非常に高い致死率の病気として恐れられていたのが結核症です。
日本人の死因として最も多かったのが結核症だったという時代もあったことから、庶民の間でも恐ろしい病気として捉えられていました。
現在は医薬品が開発されたことや予防接種が積極的に行われていることで、さほど恐ろしい病気という感覚は薄れつつあります。
しかし、介護を必要としている方や高齢者にとって話は別です。
最初は風邪の症状に似ていると思っていたものの、いつまでも咳が治まらずに2週間以上も続く場合があります。
症状が悪化すると痰の中に血が混じったり、息切れなどの症状が見られるようになります。
更に悪化すると血を吐くようになったり、呼吸困難に陥って最悪の場合は死に至るという恐ろしい病気なのです。

結核症は誰でも突然発症する可能性がある病気だと言われています。
結核菌に感染しても潜伏期間が長く、発病しない方もいるからです。
特に高齢者になって免疫力が低下してから発病する方が多いため、注意が必要だとされています。
症状の悪化を防ぎ感染拡大を防ぐためにも、早めに医療機関を受診することが大切です。

参考:http://health.goo.ne.jp/medical/10730100

介護中は特に注意したい病気

介護を必要としている方は体の免疫力がかなり弱っている可能性が高いため、結核菌に感染するリスクが非常に高くなります。
特に咳やくしゃみなどの影響で飛沫感染しやすい病気なので、介助をしている方は十分配慮しなければいけません。
ただの風邪だと思い込んでいても、実は結核菌が原因で起こっている咳なのかもしれません。
薬を飲んでいるのに何日も咳が治まらないという方は結核症の症状かもしれないと疑って、一刻も早く医師にご相談ください。

介助している方だけでなく、大勢の人が集まっている病院や介護施設でも十分配慮が必要になります。
ひょっとしたら結核症の人が紛れ込んでいて、自分でも知らないうちに感染拡大させている可能性があるからです。
大勢の人が集まっている場所に出かける際には必ずマスクを着用することを徹底し、感染予防をすることが大切です。

結核と診断された場合

十分な予防策を講じていても結核症を発症する可能性はあります。
結核症と診断された場合はこれ以上感染拡大を防ぐためにも、必ず医師の指示に従って治療を行ってください。
場合によっては入院が必要になることもありますが、通院治療が可能な場合もあります。
治療方法は薬を服用することになりますが、服用期間は半年ほどになると思われます。
仮に咳が治まり、体調が良くなってきたと感じても、必ず処方された薬を指示通り飲み切ることが大切です。
勝手な判断で服用をやめてしまうと、さらに症状が悪化する可能性が高くなるので注意してください。