介護しやすいパジャマを選ぶコツとは

介護が必要になった高齢者がつい後回しにしてしまいがちになるのが身だしなみです。
外出をしなくなるとどうしても着替えをする回数が減り、一日中全く同じ服装のままで過ごすようなこともあったりします。

ですが体を清潔な状態に保つということは自立を促すために非常に重要な項目となりますので、できるだけ自力で着替えをできるようにしてあげることが大切です。

そのための工夫としてはまず自分で着脱できるパジャマを選んであげるということがあります。
介護用パジャマはいくつかの種類のものが販売されていますが、基本的には本人の身体能力に合わせたものを選んであげるようにしましょう。

高齢者向けのパジャマとしてまず遠慮してもらいたいものとして、ボタンや紐がついているタイプがあります。
脳梗塞などによって体に麻痺症状が残っている人や、リウマチなど関節に痛みがある人にとってはボタンはかなり手間のかかる作業です。

認知症を発症した高齢者もボタンがはめられなくなるといった症状が起こるため、自力で着脱を促すためには簡単に脱ぎ着ができるマジックテープ式などを採用することが勧められます。

普通のかぶり式のパジャマであっても、体の脇にファスナーがついていたりして開口部分が広くなっているものは使いやすいです。

反対に完全に認知症が進行してしまっていたりして、勝手に服を脱いだり自分の排泄物をいじったりする場合にはあえて脱ぎ着がしづらいタイプを選ぶということも勧められます。

上下つなぎのタイプのパジャマでは、自分で脱ぎ着しにくい特殊なボタンを採用していたりするので、症状によって使い分けをしてください。

本人の意識は比較的しっかりしているけれども体の介助が必要という高齢者には、病院などでよく使用されている寝間着タイプが便利です。

寝間着は前開きで羽織る着物のような形をしているので、おむつを交換したり、ギプスなどの装具を取り外しするときに素早く作業ができます。

前開き・かぶり式のどちらでも大丈夫です

ある程度自分で体を動かすことができる高齢者なら、自分で着脱がしやすいタイプのものから選ぶのがよいでしょう。
よくある高齢者向けパジャマについての質問で「前開きとかぶりのどちらがよいか」ということがありますが、これは特にどちらでも問題はありません。

体の半身が自由にならない人も慣れることで自力でどちらも着脱が十分に可能です。
着替えを介助する場合には麻痺のある体の側のみ腕や足を通してあげるようにして、続きは自分でやってもらうようにするとリハビリになります。

また排泄や食事で何かと服が汚れることはよくあるので、もし介護用パジャマを購入するということになったら数着まとめて買っておくといいでしょう。